準備完了。

そこはオフィス系の業務を扱った大手の派遣会社で、募集広告に書かれた「日払い可能!」という文字に惹かれて面接を受けた。


「ピアス取れますか?」
と不躾に聞いてくる面接担当の女。
「はい。(ウゼー)」
「髪は…長いけど色は大丈夫そうですけど…」
「・・・(あ?)」
「ひげは剃れますか?」
「あの、僕の希望に沿う派遣先はあるんですか?長期でシフト制のところがいいんですけど。」
「それは、岩崎さんのスキル次第ですね。」
「スキル次第?!(なめてんの?)」
「ひげは剃れますか?ウチは普通の仕事なんで…」
「あ?(俺が普通じゃねぇっつーのか?馬鹿にしてんのか?ゴルァァァァァァァァ!!!)・・・
・・・っていうか、紹介できる案件はないんすか?条件が合うかどうかは俺も選びたいんすよ。まずは、俺が紹介先の条件を飲めるかどうかなんじゃないんすか?その条件の中に服装規定も含まれるもんなんじゃないんすかね?どうなんすか???(ゴルァ!)」
「・・・は、はぁ・・・あ…あの、お仕事の紹介はこちらから追って連絡を差し上げるものですので・・・ということで連絡を待ってください。本日はおつかれさまでした・・・」


私には普通の仕事は出来ないと決めてかかってるような物言いは失礼千万ではないだろうか。見ず知らずのやつにいきなりコケにされてニコニコできるわけがない。こんな面接だったのに、なぜか派遣会社には登録された。だが、出会い頭でこんなにも気分を害されたところで働く気になどなれるわけがなく、他のバイトを探すことにしたのだ。


そして先の日曜日に面接を受けに行った。前回同様、派遣のバイトである。
前回の所とは大違い。面接担当の人がとてもにこやかで、事務的な口調ではなく友好的で断然好印象である。世間話とかまでしてしまう位なごやかに面接は終了し、中野坂上での仕事が決定した。早速31日と1日の二日間研修を受けることも決まり、無事に4月から新生活を送れそうだ。


かくして新生活への準備はなんとか整った。最近は昼型生活に向けて、昼には起きるように生活リズムを変えている。動きはじめてしまえばできるものだ。この調子で、早急に携帯を復活させて、髪を切って、余裕が出来てからは徐々にみだしなみも小ぎれいにしたいと思っている。ネカマ生活で溜まった澱みを取り除きたいのだ。そして、やらなければいけないこととやりたいことの両立を目指して新年度からは自分をRENEWALさせたいのだ。
脱ひきこもり!アクティブ&ポジティブ宣言だゴルァ!

環境を変えたいという思い。

先月頃からその思いはあって、2月1日の日記(http://d.hatena.ne.jp/DICE/20050201)にそのようなことを綴っていたりもする。この頃は「環境を変えなければ」という思いであったが、今は「環境を変えたい」という思いに変化している。


「変えなければ」と「変えたい」。
英語で言えば、前者は「heve to〜」、後者は「want to〜」。要するに、「しなきゃいけない」と「したい」という違いであり、行為の動機付けが外的な不安要因がベースなのと、主体的内発性をベースにしているのとの違いでもある。
動機付けの違いは行為の能率に大きな影響を与えるもので、例えば、私は実家暮らしなので母親に部屋を片付けろと言われても全くしないが、女子が部屋に来るとなればその時のベストの状態までさささっと片付ける。というように、如実に能率に影響が出る。
もうちょいマシな例えしろよって感じだが、なにかしら「例えなきゃ」という動機付けによって捻り出したんだから能率が悪いのだ。んがー。


このような変化があったのはネカマから離れて規則的な朝方生活をしていた入院中で、その間に環境を変えることに対する私の気持ちもネガティブなものからポジティブなものになった。
3月中に新しく昼間のバイトを見つけて4月からは新しい環境での生活を始めようという決めて退院し、直後の7日もバイトの面接を一社受けた。環境を変えたいという内発的動機付けにポジティブさが加わり、まとわりついた重い足枷はなくなった。やっぱり内発性ベースの動機付けは出足が早い!

SEASONS CHANGE

この週末、気持ちの良い天気の土日だった。
土曜の朝、寝ぼけながら窓際に出来た陽だまりで午前の柔らかな日差しにすっぽりと包まれていた。たばこを買いがてらに出た外は、風は強かったけど空はきれいに晴れ渡っていて、なによりとても暖かかった。
冬の間無意識にキュッと固く縮めてきた筋繊維が暖かな空気に緩められていくのが気持ちいい。ずっと背負っていた重い荷物を下ろすとふわっと体が軽くなったように感じるが、その感覚に似た解放感が体を突き抜けていく。無性に嬉しくなって、軽くなった体の感覚を確かめるように閑静な住宅街をのんびり歩く。
ピントを少し甘くしたような空気の中で、冬に比べて確実に力強くなってきた日差しに照らされた世界には植物のビビッドな色彩が輝いていて、それらの放つ匂いが混じり合って嗅覚をくすぐる。吸い込む空気の中に春の粒子を感じる。本当に気持ちがいい。時間を忘れさせるほどの気持ち良さで、気付けばたばこを買うのに2時間もかけていた。
夜型生活の日常で乱れた体が光合成をして、堆積された毒素が抜けていく感じ。闇夜には感じられなかった季節の移ろいを、五感を通して細胞が実感してる。長いこと忘れていた感覚。生き物のサイクルに引き戻されていくように、活力が漲っていく。
待ちわびた春は、もう来ていた。
ここしばらく、環境を変えたいという思いが目覚めの時を待つようにもぞもぞと高まっていたのだが、春の訪れとともにその思いは目を覚まして、駆動しはじめた。

とある昼下がり。

DICE2005-03-12

空は暗く重たい雲に覆われていて、太陽の光は届かない。
いつ降り始めたのか、いつ止むのか、それとも世界の最初から終わりまで降り続けるのか知れない雨が、暗雲から地上に零れ落ちていく。
雨の音だけがサッシの隙間をすり抜けて聞こえる薄暗い部屋。
若干の湿気と冷気、ひどくアンニュイだ。


私はリビングのソファに沈み込むように深く腰掛け、時折強く吹く風に呷られた雨粒が窓ガラスに叩き付けられては流れ落ちていく様を眺めている。
視界の先で、窓際に立って滑り落ちる雫を指でなぞっている女の後姿。
レイヤーが強調されたロングウルフの黒髪。
小さな肩幅の華奢な肢体は、その細さが強調されるようなタイトなローライズのジーンズとカットソーに身を包み、ダークオリーブのジャケットを羽織っている。


女は私の彼女のようだ。
私と女の間に遡れる過去は見当たらない。ただ、今というこの時を共にしているというだけ。
それでも、きっと彼女なのだろう。
二人だけのこの部屋が、そういう認識がを湛えている。それを感じる。
もしかしたら、享受され続ける「現在」を生きるのに記憶や時系列なんて不要なのかもしれない。
この瞬間に感じているもの。それが全てだ。


「雨の雫が綺麗…」
相変わらず滴る雨粒を窓越しに指でなぞりながら、振り返って女が呟く。
退廃的なオーラを放つ闇を湛えた瞳が私を見つめる。
背徳を纏った瞳が私を捉えて離さない。
吸い込まれそうになって、返事も出来ず固唾を飲む事しかできない。
魅了されて石になりそうだ。きっと、メデューサの目は彼女のように美しかったのだろう。


私の心中を察したのだろうか、彼女は視線を外してクスッと微笑んで再び視線を戻す。
刹那に彼女の瞳が色を変えた。
夜明けの空のように、浮かび上がった光が次第に闇を溶かしていく。
聖母のように慈愛に満ちた優しい微笑みに、私はまた心を奪われる。
切なくて、愛しくて、美しい。
天使と悪魔が同居する彼女の瞳が私はなにより好きなのだ。


彼女が私に向かって歩を進める。
動くことを忘れた私の膝の上に向かい合うように腰を落として、首に手を回す。そして、ゆっくりと、私に唇を重ねる。
私は彼女が好きだ。共有する思い出はないが、彼女が好きだという想いはこの瞬間だけのものではなく、以前から胸の内に在ったという実感がある。
それなのに、強い戸惑いを覚えて彼女を抱きしめられない。
だからと言って私を求める彼女の想いを遮ることも出来ず、求められる喜びと戸惑いが交錯する中で歯痒い時間が過ぎていく…


どれ位経ったのだろうか。そういえば、ずっと時間感覚が欠落している。
「ねぇ…そろそろ時間やばいんじゃない?」
私は所在無い笑顔を浮かべながらそう呟いて立ち上がり、携帯電話で彼女の為にタクシーを手配する。
彼女はこれから仕事に向かう。
エンターテインメントの世界が彼女の仕事場で、多くのファンの支持を受けるカリスマだ。
「新時代の歌姫」と称される彼女・・・その名は、中島美嘉










まずは、ここまでこの色ボケ文章を読んで頂いたことに感謝と謝罪を致します。
あまりに夢のような出来事だったので、書き記してみたのだが・・・厳密に言うと、夢のような出来事ではなく夢の中の出来事、だ。普段私は全くと言っていいほど夢を見ないが、眠ること以外やる事のない入院生活中に珍しく夢を見て、あまりに衝撃的だったので内容を覚えていたのだ。
私の中島美嘉ファンぶりを露呈するのはこのブログでは初である。今までにも中島美嘉について書きたいという思いは随分前からあったのだが、想いの深さ故に迂闊に書けずにいたので、ようやく書けたという感じで少し気分が晴れやかだ。
実は、アイドルや歌手のファンになったのは、私の人生の中で中島美嘉は初めてなのだ。デビュー当初はなんとも思わず気にもかけなかったが、たまたまMTVで流れた「RESISTANCE」という曲のPVで彼女の美しさに目を奪われて以来、彼女の虜である。中途半端に美嘉たんを登場させたくはないと思っていたのだが、これを機に美嘉タソ :*:・(*´Д`*)ハァハァ・:*:な内容がガシガシ増えそうである。
というわけで、入院中の脳内エピソードですた。

今日はSTOICミーティング。

で、渋谷へ。
飽和状態な位にクラブイベントが乱立する中で、週末に自分達が表現する場を維持してさらに拡大を目指すパーティー運営は、最早立派なビジネスである。数字、お金、競争、上昇・・・・・・戦わねば・・・
特に来月はビッグなゲスト様をお迎えするので、頑張りがどうのとかも言ってられず、シビアに結果が求められるので、話もシビアになる。ゲスト様をお迎えするに見合う環境を作るべく東奔西走しなければ・・・
それから、来月はSTOIC DJsのプライベートな嗜好を反映させたコンピレーションCDを配布することに決定!その準備もしなければ・・・


白熱したシビアなお話も3時間ほどでお開きになり、ネカマに向かおうとバイクで文化村通りに差し掛かったら、パトカーと消防車が片側車線を占拠して赤色灯が踊りまくっている。テロか?と思ってキョロキョロしながらも警官の目を気にしてお行儀良く進むと、路駐してあるプレジデントのボンネットが炎上していたようで鎮火されたばかりの生々しい現場に遭遇!
目の前に突然現れた事故(事件??)現場にかなりびっくらこいてしまったのだが、周りを見回すと溢れんばかりの通行人どものリアクションの薄さに更にびっくり。渋谷の真ん中で車が炎上した現場よりも、グルメだのコスメだのファッションだのナンパだのキャッチだのの方がプライオリティが高いようだ。こいつら、もしテロが起こったとしても無関心に渋谷の街を闊歩して享楽的に過ごすのかと勘ぐると、びっくりするどころか情けなってしまった。やじうまがゼロというのが、とても不自然で異常さが際立って見えたのだった。

シャバの空気はうめぇ。

・・・・・・っていうか、寒い。寒すぎっす。
ということで、実に半月ぶりの更新である。ここ一週間ほど、電脳世界どころかリアルワールドからも隔離されてしまっていたのだ。別にタイーホされたとかっていう大ネタではなく、なんのこちゃない、うっかり入院しちまっていたのだ。病院のベッドの上で日々を過ごすうちに2月も終わってしまい、もう3月。なのに、昨日の退院を雪に祝われるとは思いもしなかった。
そして今日からネカマ復帰。いきなりの14時間勤務は、意外としんどい。パソコンに向かい合っているだけでも目が疲れるし、肩が凝る。まぁ、どうせすぐにまた慣れるだろうから焦らず、焦らず。焦らず今日から日記再開と言う事で、今日はこのへんで…