ロマンティック ナンバー32

花金である。夏のド真ん中だ!!
SHIBAD君、ぼっき君と海に繰り出すのだ!茨城県の大洋村という所でぼっき君の先輩が海の家をやっていて、そこでイベントがあるというので参加することになったのだ。日頃紫外線に縁のないもやしっ子ライフを過ごしているおかげで、常時顔面蒼白。いや、全身蒼白であろうか。これを返上できる日焼けの絶好のチャンスだ。この夏のハイライトの一つになるのだろうか?気分はすっかり楽園ベイベーである。ワンチャンス!!!
早朝5時半起床。SHIBAD君と11時半に新宿待ち合わせを決める。DJをする予定なのでレコードを選ぶ。夏の海だし、水着姿で踊る人々の姿を想像しながらイケイケのテクノやディスコ・ダブ、トライバルなトラックなどをチョイス。新宿まで原チャリで行くことにする。すると、交機とおぼしきパトカーが真後ろに来た。ちょっとむかつくが、もう点数がないので30km/hでノロノロ運転。なおも追尾状態のPC。信号待ちで停められる。こっちは無違反である。どうってことはないが、レコードの大荷物にナンクセをつけられ、友人名義のバイクなので確認などがうざい。10分くらい足止めを食らったか。いきなり旅先に出鼻をくじかれる。国家の犬に付き合ってられるか。あいつらなんぞ、所詮はノルマを課せられたサラリーマンのようなものである。ファック!
おかげで10分遅刻の11時40分に新宿到着。SHIBAD君に電話してみるも、出ない。もしや?!と思い、コールしまくってみる。予想通りお寝坊さんのようで、時間潰しがてらヨドバシカメラでフィルムを二本買う。ここの所マイ定番になっているAGFAのフィルム。どんな絵が撮れるのだろうか・・・そんなことを考えながら新宿に佇む。正午の新宿は暑い。この都会の閉塞的な暑さからも、もうすぐ開放だ!
12時49分発総武線津田沼行きの列車内でSHIBAD君と合流。これで船橋駅まで行って、ぼっきカーにピックアップしてもらう手筈である。久しぶりの電車。どうも座席が固くて落ち着かない。程なく船橋到着。ぼっき君も寝坊していて、これから向かうようだ。やはり、夜光虫三人組に昼間の行動は無理があるのか。マックで腹ごしらえをしながらぼっき君を待つ。合流したのは3時過ぎだったろうか。すっかり日差しのピークは越えてしまった。日焼けは翌日の午前中に持ち越そうということで、いざ大洋村へ一般道をひた走る。
走る走る。初めての道のりを行く。手賀沼を越え、茨城県へ。田舎の田園風景に目をやりながら、のんびりと行く。私は東京生まれの東京育ちなのだが、何故かこういった風景に落ち着く自分がいる。育った環境とはまるっきり違うのだが、これも悠久の時を経て未だ螺旋を描き続けるDNAに刻まれた日出ずる国に生まれた民の記憶なのだろうか・・・そんな思いにさせる、なんともまったりとした夕焼けである。途中、道に迷いながらも、なんとか「大洋村とっぷさんて」に到着。長旅を終えた安堵感とビーチパーティーへの期待感とで、車内はウキウキモード!なんせ、個人的な今日のテーマは楽園ベイベーだ!浮かれて当たり前。踊る阿呆に見る阿呆。私は踊らす阿呆になりに来たのだ!
すでにすっかり夜の帳が落ちている。田舎の夜は暗い。海岸を目指す。砂浜は真っ暗だ。一件の海の家だけが、光と大音量を闇に向けて放っている。目指す場所はココか?ふいによぎる不安・・・人影が、ごくごく疎らにしか見えない。車を停め、恐る恐る海の家に近付く。人の数は・・・10人程だろうか。何度見ても、お目目をゴシゴシしても、やはり10人程である。これが現実。これが2004年8月13日金曜日の夜の大洋村である。
楽園ベイベーの夢破れ、最早ズッコケ三人組のウッカリ珍道中である。さて、どうするどうなる?なにやら国道からの入り口「大洋村とっぷさんて」という施設があったではないか。そこは温泉施設もあるとの情報もあったので、ちょっと覗きがてらジョギングをしてみる。たった500m程ではあるのだが、久しぶりに走った。意外と楽しいのだが、着いてみるとここにも人影はなく、ファミリーカーとロッジの群れ。皆、昼間海で遊んで夜は寝るのだ。夜中ワイワイするという前提そのものが、どうやら間違えたことに気づき、また500mをジョギング。これでいい!自然の中、ジョギングしに来たのだ!これでいいのだ!
散策も成果無く、10人程が思い思いに飲んでいる海の家に戻る。別動隊でココに向かっているPERO君達を待って(しかもPERO君はライブまでやる予定なのだそうだ!そういえば私もぼっき君もDJをやる予定ではあったのだが・・・)、共に帰ろうという判断になったてたので3人で乾杯を繰り広げ海の家にいてみるが、どアウェイの空気は如何ともし難い。そんな空気を切り裂くように突如鳴り響くホイッスル。ふと音の鳴る方に目をやると、赤色灯が回転している・・・ポリスメンだっ!またもやビックリサプライズである。不穏な空気に一変。騒音の苦情だろうか。明らかに近くに民家があるのが見える場所なのだから苦情も頷ける。結局11時で閉店ということで手打ちになったようだが・・・ポリまで出動してしまっては、留まる気持ちにも翳りが訪れる。帰る時が来たようだ。パーティーは終わったのだ。
別に気落ちはしていなかった。そこに在ったのは、アウェイからの開放感である。ホームタウン東京に帰れるのだ。PERO君一行と合流すべく、近くのコンビニ「HOT SPAR」でしばし待機。どうも茨城にはこのホットスパーなるコンビニが非常に多かった。茨城の感想である。コンビニで風土を語るのも、消費社会に生きる現代人ならでは。車内で談笑していると、状況を把握していないPERO君一行が到着。事情を話すが明らかに表情が語るのは「?」。困惑と憤りと笑うしかないという感情の入り混じった表情である。よくわかる。我々も同様の表情になったのだから。わざわざ同じ徹を踏む必要はない。君子危うきに近寄らずだ。ここから私とSHIBAD君は、東京までPERO君の車にお世話になることとなる。非常に申し訳ないと思ったのだが、ご厚意に甘えさせて頂くことにして、後部座席に乗り込む。
申し訳なさげに座っていたのだが、ここでまたハプニング勃発!ガソリンが無い!既にエンプティのランプは灯っている。東関道に乗る間際にはガソリンスタンドがあるだろうと思っていたのだが、皆目見当たらない。サービスエリアにガソリンスタンドがあることを祈りつつ、最悪のシチュエーションも視野に入れつつも東関道に乗る。男四人死のロードの火蓋は切って落とされた!看板を食い入るように見る男四人。看板が一枚過ぎるごとに歓声と嘆声が上がる。妙にノリが良くなってきた。高速に乗った時は東京まで89㎞の表示が、いつしか65㎞になっていた。4つ目のSAだっただろうか、遂にガソリンスタンドを発見!沸き上がる歓声。心底、安堵の表情で互いに手を握る。当初は所在なさげだったのだが、既に連帯感が芽生えていた。火事場をを共に過ごしたのだ。ピンチはチャンスになるのだ!PERO君は初対面だったのだが、非常に気さくでピースな人だ。共に談笑しながらの帰路は早く、原チャリを停めておいた新宿まで送って頂いた。
PERO君&お友達、お世話になりました!今度は楽しく遊びましょう!
さて、いよいよホームである。新宿の猥雑な匂いすら安心してしまう。原チャリに乗っていざ渋谷へ。SIMOONでSHIBAD君と再び合流。タカ君に挨拶をして、乾杯。しばし花金のクラブを味わいつつ、日常に戻ったことを実感。安堵と共に疲労感が押し寄せる。ここらでお先に家路に着く。
タカ君、お先に失礼いたしましたが今日もお邪魔しました!ご馳走様でした!
ぼっき君、また楽しく遊びましょう!STOIC来てね!
SHIBAD君、お互い来週末は楽園ベイベーしましょう!
今日は非常に疲れた。しかし、楽しいドライブではあった。まさに珍道中。桃色は依然として皆無だが・・・来週はSTOICだ!5周年だ!夢の島にも行く!まだ私の夏は終わらない。終わらせない!来週こそは楽園ベイベー!待ってておくれよ楽園ベイベー・・・