ロマンティック ナンバー30

本日は何故か9時半に起床。6月位に買った「ラブコメ」(松久淳+田中渉/著 小学館/刊)を読む。タイトルまんまのラブコメ。正直、あまりご縁の無いジャンルである。


劇中劇ともいえる手法を用いたストーリー展開が読み始めはとっつきづらかったが、ハマりだすとそのリズム感も小気味よく感じられた。主人公の男がアニメの脚本家ということでアテレコ現場のシーンが頻出し、どうもディティール表現が細か過ぎて少々だれた。しかし、そのディティール表現が功を奏している部分も多く、特に舞台となる日本橋浜町界隈の細やかな表現は東京生まれの私としては下町の情景や情緒感を鮮明に浮かべられ、なんともほんわかした気持ちになって読み進められた。
挿入歌として高橋幸宏の「今日の空」「1%の関係」2曲が使用されている。この辺りは、ドラマや映画を強く意識しての演出であろう。物語自体がそういった趣である。非常に効果的に使われていて、私はグッと来てしまった。著者の思惑勝ちであろう。選曲の妙である。高橋幸宏のセンチメンタルな楽曲とシーンが実に上手くマッチしている。センチメンタル・・・ここのところ非常に不足している感情だ。センチメンタルダイアリーなはずなのに。桃色が枯渇している。ついでにお金も枯渇している。センチメンタルを味わうのには余裕が必要で、切羽詰まっていては堪能できない。島田紳助は「お金は余裕である」と言う。メケマネなくしてセンチメンタルなし、か・・・
話が戻そう。ラストはラブコメならではだが、そこまで持ち込むテンポが良い。終始ライトなタッチなので、400ページはあっただろうが一気に読み終えてしまった。読後の心持ちも、すがすがしいものであった。本当は昼からネカマ出勤しようと思っていたのだがすっかりラブコメワールドに入り込んでしまい、結局今日は17時から3時まで10時間ネカマ


挿入歌の話はしたが、ちゃんと主題歌もある。フリオ・イグレシアスの「ビギン・ザ・ビギン」。そういえば、かなり前になるが「インディビジュアル・プロジェクション」(阿部和重/著 新潮社/刊)でも、フリオ・イグレシアスの曲が物語中に取り上げられていたな・・・阿部和重が今年発表した長編小説「シンセミア」(朝日新聞社/刊)も読みたいと思っているのだが、上下巻で4000円位はするのだろうか。ブックオフで掘る日々である・・・はぁ。






関連サイト







フリオ・イグレシアス関連のサイトも掘ったが、いまいちピンと来るサイトが見つからなかったので割愛。
簡単なプロフ→元祖ラテンの貴公子、そして世界の恋人として一世を風靡、そして元レアル・マドリードGK、ラテンのポップ・スター;エンリケ・イグレシアスの父、そして世界で最も多くのレコードを売った男(2億5000万枚/ギネス認定)・・・