「好きか、嫌いか―松本人志の二元論」読了。

買ってから読了するまでにかなりの時間がかかった。
松本氏の好き嫌いについて語られているだけのファン本かと思っていたのだが、あとがきに心を奪われた。

さて連載のテーマを「好きか嫌いか」にした理由ですが、最近みんなが「微妙…」と表現することが、ずっと気にかかってたからなんです。「微妙…」というのはつまるところ「そんなに好きじゃない」ということなんですね。でも好き嫌いを言うのが、なぜかためらわれて、曖昧にするほうがかっこいいみたいになってしまっている。
でも、こういう否定の仕方って「エネルギーがない」感じがしてイヤなんです。なんだか同じ場所に停滞している感じがする・・・。
「好き」か「嫌い」を言うためには、それなりの意見を持たなくてはならない。理由が問われるからです。責任が生じてくるからです。「おまえの好き嫌いの判断基準は何なのだ?」と剣の切っ先を突きつけられること、それが今は大事なのではないでしょうか。


〜本書あとがたりより〜

意見を持つこと、責任を持つこと。そのために、松本氏はしっかりと自分の視点から題材に対しての考察をしている。それを週刊プレイボーイ誌上において実践していたのだ。松本氏のビジョンにはリスペクトである。
これを今になってようやく読了したことに、ある種の必然性を感じた。先日読了した森達也氏の著書と繋がる気がしたのだ。
思うこと、考えること。情報が氾濫し、メディアリテラシーなどが問われる今こそ、それがとても大切なのではないかと強く思うのだ。

好きか、嫌いか―松本人志の二元論

好きか、嫌いか―松本人志の二元論