二冊目は「孔子暗黒伝」。

孔子老子仏陀に導かれたハリ・ハラの冒険を通して、仏教・ヒンドゥー教古事記とアジア全体を縫い合わせ東洋思想の真理を探究するヒッピーカルチャーの徒花的作品。
ありえない設定の神話的世界観に圧倒されながらページを捲る手は止まらず。久々会心の一冊。パフジャンキーと揶揄されそうなトンデモなお話が私は大好きなのだ。
過去の話から未来を暗示する様は、まさに論語の温故知新。飽く事無き知識欲が身を滅ぼすというメッセージが、人知を超えた知の領域に踏み入れている現代科学へのアイロニカルな警鐘となっている。
歴史的内容がSFとなって読者に麻薬的陶酔感を与える諸星ワールドは秀逸!本作と内容がリンクしているという「暗黒神話」にも触手が伸びることは必至である。

孔子暗黒伝 (集英社文庫(コミック版))

孔子暗黒伝 (集英社文庫(コミック版))



やっぱり読書っていいなぁ。早く本を読み耽りたい。物欲留まるところを知らず。